庭・花
gardenplants/flowers
お寺は文化センター
古来、寺院は地域の文化センター的役割をしていました。寺子屋は教育の場であり、籍を取り扱う役所や集会場、子供が遊ぶ場所でもあり、中には療養所であった所もあります。この様に寺院は地域と密接な関係にあり、人々が集う場所でした。
しかし明治以降、教育は学校教育に変わり、戸籍は役所、集会は会議室に、子供の遊ぶ場所は色々なテーマパークへと変わっていきました。
寺に残されたのは葬式や供養を営む場でした。しかし私は、それではつまらないのです。寺は人々が集い楽しむ場でもあって欲しいのです。
そこでまず私の趣味でもある「園芸」「書」「お香」を通じて、みなさまとふれ合いの機会を設けていけたらと思っています。
庭・花について
※松食い虫に侵された老松
植物の聲(こえ)を聞け
寺の境内には沢山の樹々、花々が育っていますが、植物はどんなに水が欲しくても、また病気にかかっても聲を発してくれません。
動物は餌が欲しい時は鳴いたり、行動で示してくれます。
しかし植物は、それができないのです。
だから「水は足りているのか」「葉の艶はいいのか」「土壌は固まっていないか」「虫は付いていないか」「病気の発生はないか」「日当たりの具合はどうか」と、沢山の事を気にかけてあげなければなりません。
その上で消毒・剪定・せっ肥・潅水など、多くの手入れをしてあげます。
そのようにして聲に応えてあげると、植物は裏切りません。
実に見事な花を咲かせ、葉を繁らせ、すこやかに育って私たちを楽しませてくれます。
平成22年8月、本堂の前にあった樹齢二百年の自慢の黒松が松食い虫にやられました。
あらゆる手を尽くしましたが助かりませんでした。
松も「助けてくれ」と悲痛な叫びをあげていたに違いありません。
しかし私は、お盆も近かったせいか、松の聲を聞いてやることができませんでした。
二百年もこの寺を見守り続けてきた古木を、私の代で枯らすとは「何と申し訳ない事か」と、私にとってはまさに痛恨の極みでした。
もう、こんな思いは二度としたくありません。
もっと耳を澄ませて樹木の聲を聞こうと思います。
百花繚乱の境内へ
現在、円城寺の境内には松や藤、枝垂桜、梅、ツツジ、サツキ、椿、サザンカ、アジサイ、そしてハナミズキ、金木犀、サルスベリ、沈丁花、ピラカンサ、他たくさんの花樹があります。
また鉢物も藤、ギボシ、シュンビジュウム、春蘭、フウラン、クジャクサボテン、クチナシなど全部で160鉢ほどあります。
この様な状況なので寺の法務をするより、花や樹に携わっている時間の方がむしろ多いかもしれません。
円城寺は、お城の様に水路がぐるりと回っています。
今後周りを護岸する事業があり、桜、桃の樹を植樹する計画があります。
また、しだれ桜、白モクレンの大木を植える予定もあり、四季の花が織りなす桃源郷へと夢を見続けたいと思います。
少しでも庭や花に興味のある方、また庭木で何か困った事や、やりたい事がある方は気軽にお立ちよりください。
いいアドバイスができるかもしれません。
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玉夏蘭
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シンビジューム
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枝垂桜
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竹の花